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【読んで面白かった本】『世にも奇妙な人体実験の歴史』

「マッドサイエンティストによる人体実験」
と聞いて、あなたはどんなことを想像するだろうか。

猟奇的で他人の命を平気で弄ぶようなヤバイ科学者が、他人を残虐非道な実験に使う…といった恐ろしいイメージではないだろうか。

しかし世の中には、それとは異なるマッドさを持った科学者達も数多くいたのだ。

彼らが実験の被験者に用いたのは…
何と、自分自身!

今回ご紹介する本は、
そんなマッドサイエンティスト達による痛快で奇怪な人体実験のお話、
『世にも奇妙な人体実験の歴史』(英国リヴァプール大学名誉教授トレヴァー・ノートン著)である。

この本は、
人類の発展、健康や安全のために、自らの健康や命を顧みず、とんでもなく危険な実験の数々を行った崇高な科学者たち…もしくは正気の沙汰とは思えない狂気の偉人たちの記録だ。(一部、他人を使った例外者もあり)

作者はさすがイギリス人!といったところで、痛烈なブラックユーモア満載であり、かなり過激な内容なのに面白おかしく楽しめてしまう。割と分厚い本であるにも関わらず飽きることなく読めてしまうのが、この本のすごいところ。

好奇心とユーモアを愛する、すべての人にオススメしたい本である。

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自分を実験に使う…だと…!?どんな内容なんだ!?

「どんなマッドサイエンティストたちの話なんだ!?」と気になってもう少し知りたい人のために少しご紹介しよう。

記念すべき(?)自己人体実験のトップバッターは、18世紀の天才解剖医ジョン・ハンター。
彼に関しては、これまた痛快な伝記を読んでいた↓ので、まるで知った人かのような親近感を覚えた。

そんなジョン・ハンターの行った実験は性病(梅毒と淋病)について。
彼は何と、患者から採取した膿を自分の性器に塗布し、わざと感染したのだ。そして、本人だからこそ分かる詳細な症状の観察・記録を行った。うげええ…

さらに続々と続く、実験験精神に取り憑かれちゃった狂人たちの武勇伝。

  • 麻酔薬という非常にありがた~い歴史的発見に至るまでのお話(当然それまでの手術は、抜歯も足の切断も何もかも麻酔なし)
    探求者たちはふさわしい物質を探すためクロロホルムやコカインを試した結果、実験だけのつもりが何と立派な中毒者になってしまったり。
  • 病気の原因究明のため、寄生虫を自ら飲んだりコレラ患者の吐瀉物が入った水を飲み干したとんでない猛者たちの奮闘のお話。
  • 放射線の偉大なる発見をしたキュリー夫妻の悲劇的なお話。
  • あるフランス人医師が挑んだ、壮絶すぎる海での漂流実験海水を飲んだりプランクトンを食べて(!)命を繋ぎ、何とか無事生還。
  • 溺れた人を最も効果的に蘇生させる人工呼吸法の発見:「ついさっき溺れたばかりの人」が手に入らないので、麻酔で心肺停止状態になって蘇生させられる役を務めた麻酔医のお話。
  • 若き元戦闘機乗りが挑む、音速の壁を打ち破りマッハの世界に突入する実験

…などなど、17章にわたって何一つ真似したいとは一切思えない激ヤバな人体実験の数々が紹介されている。

だが、彼らの奮闘のお陰で、後世に生きる我々が健康や安全を享受できていると思うと胸が熱くなる。

作者も述べているが、彼らを真に突き動かしたのは、人類のためとかそういった美しい建前よりも「知りたい、確かめたい!」と事実を追い求める底知れない探究心だったのだろう。

天才ってある意味、頭のネジぶっ飛んでるのかね?
「好奇心は猫をも殺す」とはこういうところから来てるのだろうな…

この本は、一見真面目なのだが、ほぼ全編にわたって作者のブラックユーモアセンスが炸裂しており爆笑必至である。訳した方も素晴らしい仕事っぷりだ。
割りとエグい実験の話でも、まるで「ギャグ漫画か!」と言いたくなるような説明の仕方なので、超絶楽しんで読んでしまった。本当、このユーモアセンス見習いたい。

さてさて、
この本の紹介は以上とさせていただこう。
興味が湧いたら是非読んでみてほしい。そしてこれを読んでもクスリとも笑わない人がいたら、ちょっと教えてほしい。

今回も最後まで読んでくれて、ありがとう!
ではでは!

tonamo

一人旅と自然が大好き30代女。
昔からの夢だった海外放浪へ2024年3月ついに出発!通算の訪問国現在10カ国目24地域目のまだまだ未熟な旅人。
このブログでは「もっと世界を自分の目で見てみたい!知りたい!」というブログ主と同じような方の役に立てるよう、旅先での色々な出来事や海外事情を書いとります。
多少口が悪い部分はあるけど、忖度なしでいいと思ったものや正直な感想を紹介しているのでよろしく!

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