最近読んだ本の中で抜群に面白かった本をご紹介させていたこう。
それは、微生物学者であり作家でもあるアン・マクズラック氏による『細菌が世界を支配する バクテリアは敵か?味方か?』という本だ。
今この記事を読んでいる人の中に、
「細菌好き!めっちゃ興味あるし、本探してたわ!」なんて人はほぼいないだろう。
だが、それを承知の上で言う。
この本マジで面白いから!!
騙されたと思ってぜひ読んでみてほしい。
この本、読者の好奇心をガンガンに刺激してくるので、途中で飽きない。
聞いたことあるけど正直よく知らない話、
例えばPCR検査や遺伝子組換え技術、
テロにも使われたヤバい病原菌の炭疽菌や抗生物質の話など、
「それ細菌の力を利用してたんや!もっと知りたい!!」と
ドンドン先を読みたくなる話が満載なのだ。
読みながら「細菌スゲー!!」と、あなたも思わず言うに違いない。
細菌のことなんか全然知らないし興味もそれほどなかったけど…
この本との出会いは全くの偶然だった。
別に細菌に興味があって調べてみようなどと思ったわけではない。
ただ、別の本に挟まっていた新刊案内の小冊子に載っていて、
「細菌?よく知らんけど、何か面白そうやん」と何となく興味を惹かれたのだ。
それまで私の中の”細菌”のイメージは、
バイ菌みたいな見えない汚い奴らとか、
基本的に何となく有害っぽいというふんわりとしたものだった。
ペストとか炭疽とかやばい病原菌なんかが有名だし。
しかし、いざ本を手に入れて読み始めた私は、自分の無知さを思い知る。
「細菌って…スゲーーーーーー!!」
もう何回この台詞を思わず口走ったかわからない。
細菌の知られざる素顔に、好奇心がえぐられるほど刺激されまくった。
作者は研究者だが作家でもあり、
理系知識に明るくない素人でもわかりやすいよう説明されていて、とても楽しめた。
細菌のすごい点:生態
まず、細菌の生態自体がとにかく面白い。
「そんなとこに生物住めるの!?」という超のつく極限環境でしれっと生きてたり、
より有用な遺伝子を他から取り込んじゃう方法とか、
突然変異起こしやすくする方法持っていたりとか。
もう、この世で最強なんじゃ…と思っちゃうくらい超人(?)だよ、細菌たちは。
細菌のすごい点:人類への貢献度の高さ
私達の生活の中に「実はそれ、細菌のおかげっすよ」という物が溢れかえっていることを初めて知った。
例えば、冒頭でも挙げた遺伝子組換え技術や抗生物質、PCR検査など。
ノーベル賞を受賞した数多くの研究にも、細菌(大腸菌)が用いられてたり。
さらには人間の生命活動、
もっと言えば、地球上にたくさんの生物が生きていられるのも、細菌のおかげだったなんて!
あと個人的に感動したのが、
細菌の力で環境問題解決できるかも、って話。
いまだ人類の技術では、
便利な生活のための環境へのダメージを、無くすことがほぼできていないのに、
細菌たちの力を利用すればクリーンな解決ができるかもしれないってのは胸が熱くなった。
未来は明るいのかもしれない…細菌たちのおかげで。
細菌のすごい点:読んだら世界の見方が変わった
この本を読んでいる間、
細菌の凄さと人類への貢献度の高さに恐れおののくことの連続であった。
「え、これもそれもあれも、細菌の力を使っていたの!?細菌様々すぎる!!
こんなに恩恵受けてたのに、バイ菌みたいに思ってたのか…
すまない、細菌たちよ。
そしてありがとう、細菌たち!」
こんな感じで、私の細菌へのイメージは180度くらいガラリと変わったのだ。
そして、私の世界を見る目が変わった。
だって今この瞬間、
キーボードを打つ私の手の表面でも、皮膚の常在菌がバリアして体を守ってくれているのだ。ありがとう、細菌さん。
目には見えないけれど、
私達の身の回りのありとあらゆるところで細菌たちは活動しているし、私達を助けてくれている。
毎日に何だか刺激がないな~と思っている人も、
そうでない人も、
この細菌の本読んだらめちゃくちゃワクワクする刺激的な時間が楽しめるので、おすすめする。
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